近年、「闇バイト」等と言われるSNSの投稿により犯罪グループによって集められた者あるいはその集団が、強盗事件を起こしたり、「受け子」「出し子」として詐欺事件や窃盗事件を起こしたりするケースが多く見受けられます。当庁管内においても、昨年、深夜、一般住宅などに侵入して強盗事件を起こし、住んでいた方にけがを負わせるなどの事件が発生したほか、特殊詐欺・窃盗事件も少なからず発生しています。
この種の犯罪は、SNS等を通じて比較的簡単に犯罪に関わることができてしまう上に、犯罪を行うために集まった者らによって、あらかじめ犯行道具を用意し、決められた役割分担に従って行われるため、被害が発生する危険性が非常に高いと言えます。そのため、当庁は、この種犯罪に対しては、通常の詐欺事件や窃盗事件、強盗事件に比べてより厳重に処分する方針です。
他方で、このような犯罪に関わった者であっても、犯した罪に向き合い、真に反省している者に対しては、立ち直りの機会を与え、犯罪と関わることのない社会に復帰させて更生を図ることも必要であると考えます。
(R7年4月掲載)
近年、組織的、集団的な窃盗犯グループによる侵入盗や自動車窃盗の事案が急増しています。これらの犯罪の特徴として、複数人が役割を分担し、自動車等で移動しながら、事前に被害者宅の状況を把握したり、特殊な器具を用いた上で、埼玉県だけでなく、近隣諸県にまたがって複数の窃盗を繰り返すといった点が上げられます。
こうした犯罪により、住居に侵入されて、家中を荒らされて貴重な金品が盗まれるだけではなく、家人が犯行中の犯人らと出くわして、強盗事件に発展するものもあるなど、まさしく国民の安心・安全を脅かす危険な犯行といえます。
この種の犯罪は、広範囲に行われるだけでなく、犯行に盗難車両やナンバープレートを付け替えた車両を用いたり、盗んだ車両や物品を即座に隠匿・処分したり、あるいはそこに第三者が関与していることも少なくないため、犯人の特定に至るまでには相当の努力が必要であるとともに、犯行グループの全容を解明することに困難が伴います。
そこで、当庁としては、警察等の関係機関と協力の上、徹底した証拠収集を行い、可能な限り犯行グループの全容を解明した上で起訴し、悪質な犯罪に対して厳正な処罰を求めていく方針です。
他方で、これまでに引き続き、いったんこのような犯罪に関わった者であっても、犯した罪に向き合い、真に反省している者に対しては、立ち直りの機会を与え、犯罪と関わることのない社会に復帰させて更生を図ることも必要であると考えます。
(R7年7月掲載)
1 組織的な犯罪等において、首謀者の関与状況等を含めた事案の真相を解明するためには、組織内部の者から供述や物証を得ることが必要不可欠である場合が少なくありませんが、そのような事案の解明に資する供述等を得ることを可能とする証拠収集方法として、平成30年6月に施行された合意制度という制度があります。
合意制度とは、弁護人の同意がある場合に、検察官と被疑者・被告人との間で、被疑者・被告人が他人の犯罪について証拠収集等への協力をし、検察官がその者の処分の軽減等を合意できるという制度です。
例えば、被疑者・被告人が首謀者や上位者にあたる共犯者に関する情報や証拠を持っていて、これら共犯者について真実の供述をしたり、これら共犯者の犯罪への関与を示す証拠を提供したりできるのであれば、その情報や証拠の重要性も考慮した上で、検察官がその者の事件につき不起訴処分や特定の求刑等をする合意をすることができます。
もちろん、合意制度を利用するためには、その者の事件についての処分の軽減等をしてもなお、首謀者や上位者に当たる共犯者の刑事事件の捜査・公判への協力を得ることについて、国民の皆様の理解が得られる場合でなければならないと考えていますし、当該犯罪に遭われた方々の処罰感情等にも十分に配慮する必要があると考えています。また、検察官は、合意するかどうかを検討するに当たり、その者の首謀者や上位者にあたる共犯者に関する供述について、裏付け証拠が十分にあるなど積極的に信用性を認めるべき事情があるかどうかなどを慎重に判断することになります。
2 合意制度の対象となる犯罪は法で定められており、例えば、贈収賄、詐欺、脱税、覚醒剤の営利目的譲渡等が対象となります。
3 組織的な犯罪等に対しては、厳正に対処し、警察と緊密に連携しつつ、首謀者や上位者の関与状況等を明らかにした上で、それらの者が果たした役割や責任に応じた適切な処罰、犯罪収益の的確な剥奪を実現するように努めていきたいと考えており、その一環として、組織的な犯罪等の事案の解明に資する供述等を得ることを可能とする証拠収集方法である合意制度も活用していく方針でいます。
(R7年11月掲載)